時間

時間の定義は、人間の歴史の中で色々と変わって来ました。太陽の周期が一日の長さとして使われてきたのは、世界中今も昔も変わりません。日本で有名なのは、「丑三つ時」で知られている 12等分法です。これは、日の出と日の入りの間をそれぞれ六等分して、鐘を鳴らしたのがはじまりだとか。一刻の長さは季節よって変化するし、丑三つ時と行っても 2時間の3分の1、 つまり 120 ÷ 3 = 40 分程度の精度しか必要ない生活だったんでしょう。

時代が進み正確な時間が必要になり、「1967年に原子放射の周波数に基づく量子力学からの定義に改定されました」。

利用目的によっては重力の影響も無視できないことが分かり、相対性理論によって破綻しない時間の定義も必要になり、新しい定義ができたり古いものの定義がみなおされたりしています。

宇宙機関連で良く使うのは、

  • UTC
  • UT1
  • TT
  • TDB

定義

TAI : International Atomic Time / 国際原子時

世界で管理されているセシウム原子時計の加重平均

TAIの略語は、フランス語の Temps Atomique International から。

UTC : Coordinated Universal Time / 協定世界時

生活で使うために決めた、世界的な時間の定義。地球から見える太陽の一定ではない動きをベースにしているので、調整される。

GMT : Greenwich Mean Time / グリニッジ標準時

かつて使われていた標準時間。定義が曖昧なので、 UTC に置き換えられた。今は UTC+00:00 としてのタイムゾーンの名称として使われている。 GMTは、UTCとは同義ではないので注意。

UT : Universal Time / 世界時

地球の自転に基づき定義された、時刻システム。

UT にはいくつかの派生がある

  • UT0 :: 星や宇宙を観測することで得られる時間。極運動と呼ばれる地球の「自転軸と極のずれ」を含まない
  • UT1 :: UT といえば、ほぼ UT1 を指す。UT0 に曲運動補正が入ったもの。ただし自転自体の不確実性は、考慮しない
  • UT2 :: UT1を平滑にしたもの。最近つかわれていない

ET : Ephemeris Time / 暦表時

今は使われていない。 Dynamical time scale の TDT と TDB によって置き換えられた。 たたし NASA NAIF SPICE では、 TDB と同義で ET が使われている

TDT : Terrestial Dynamical Time / 地球力学時

今は使われていない。1976年に、ETを置き換えるために定義された。しかし定義が完全ではなかったために、1991年に TTと名前を変更して、再定義された。

NASA NAIF SPICE では、 TT と同義で TDTも使われている

TT : Terrestial Time / 地球時

1991年に TDTの名前を変更する形で定義された。 ETを置き換えている。

厳密な時間が必要ではない場合、 TDB に代わってよく使われる。TDBではなく TTを使った場合、月の計算でも 1 milliarcsecond = \frac{1}{3600000}\degree) 以下。

TCG : Geocentric Coordinate Time / 地心座標時

TCB : Barycentric Coordinate Time / 太陽系座標時

TDB : Barycentric Dynamical Time

1976年に ETの置き換えとして定義されたが、 相対性理論的考慮がなかったために 2006年に再定義された。

TDBの略は、フランス語の Temps Dynamique Barycentrique から。

関連性

Reference

https://jjy.nict.go.jp/mission/page1.html

https://www.ucolick.org/~sla/leapsecs/timescales.html

http://sciastro.astronomy.net/sci.astro.3.FAQ

https://stjarnhimlen.se/comp/time.html

https://naif.jpl.nasa.gov/pub/naif/toolkit_docs/FORTRAN/req/time.html

https://www.iausofa.org/

https://gssc.esa.int/navipedia/index.php/Time_Systems